欠点画像分類AI「Shiwaketter」を正式リリース
500枚の欠点画像を6秒で学習、目視負担削減と品質管理の効率化を推進
「テクノロジーで生産現場をエンパワーメントする」というミッション実現に向けて、株式会社アダコテック(東京都千代田区、代表:河邑亮太)は、ウェブと呼ばれる長尺かつ連続生産されるフィルムなどを対象とした欠点画像分類AIソフトウェア「Shiwaketter(シワケッター)」を2025年1月31日に正式リリースしました。本ソフトウェアは、PC(Core i7)上で500枚(256×256ピクセル)の欠点画像をわずか6秒で学習し、従来AIでは2時間以上を要していた画像分類を高速かつ効率的に実現します。目視確認の負担を軽減し、人間と協働しながら品質管理の効率化を推進します。
大量の欠点画像を汎用PCで高速分類
株式会社アダコテックは、ウェブと呼ばれる長尺かつ連続生産されるフィルム、シート、金属箔などを対象とした欠点画像分類AIソフトウェア「Shiwaketter(シワケッター)」を正式リリースしました。ウェブ業界では、外観検査機が広く普及している一方で、欠点画像の分類が十分に行われず、目視確認が現場の大きな負担となる課題がありました。「Shiwaketter」は、産業技術総合研究所(産総研)が開発したHLAC特徴量抽出法を採用し、検査機の更新を必要とせず、汎用PC(GPU不要)で高速かつ効率的な画像分類を人間と協働して実現します。例えば、PC(Core i7)をを使用して、500枚の欠点画像(256×256ピクセル)を学習する時間はわずか6秒、従来AIでは2時間以上を要する画像分類を圧倒的に短縮しました。すでに大手メーカー数社でベータ版の導入が進んでおり、高い分類精度とユーザビリティー面を評価頂いております。本ソフトウェアの導入により、欠点画像の目視確認に費やしていた工数を削減し、品質管理の効率化とデータ活用の促進を目指します。
Shiwaketter (シワケッタ―)の特長
- 各欠点(キズ、打痕、虫、ピンホールなど)の形状を認識し即学習・即分類
- PC(Core i7)で500枚(256×256 px)の画像を6秒で高速学習
- 検査機更新不要、汎用PCで動作可能
- 欠点画像に特化することで高精度分類(ベータ版 運用実績あり 分類精度90%以上)
HLAC特徴量抽出法
HLAC(Higher-order Local Auto-Correlation;高次局所自己相関)特徴量抽出法は画像の局所的な自己相関を多次元的に計算し、ある画像に対する不変特徴量を計算する手法で、国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)にて発明された日本発の画像解析技術です。3x3ピクセルのマスクパターンを用い、特定画素とその近傍の自己相関を計算し形状特徴を抽出、これを画像全体に適用し特徴ベクトルに変換します。画像を HLAC 特徴量として扱うことで機械学習において軽量な処理が可能となり活用範囲が広がります。
今後の展開
「テクノロジーで生産現場をエンパワーメントする」というミッションのもと、製造業向けの外観検査AI作成ツール「AdaInspector Cloud」、欠点画像分類AIソフトウェア「Shiwaketter」、トレイ式AI外観検査機「TRAYMIRU」を中心に、製造業における品質データの活用を通じた工程改善を進めてまいります。
担当者からのコメント
株式会社 アダコテック 取締役CTO 伊藤 桂一 コメント
『Shiwaketter』は、私たちがこれまで積み上げてきた研究開発のノウハウを集約し、業界での実践を通じて磨き上げた成果そのものです。本製品は、産総研が開発したHLAC特徴量抽出法を活用し、500枚の欠点画像を6秒で学習するという高速性を実現しました。この技術的な進化が、目視確認に頼る現場の負担軽減につながることを確信しています。また、製造現場のデータ活用を促進し、新たな可能性を切り拓ける点も大きな魅力です。今後も技術者として、さらに革新的なソリューションを提供してまいります。
株式会社 アダコテック 事業開発部 部長 永井 慶 コメント
『Shiwaketter』は、単なるAIツールではなく、製造現場で実際に協働しやすいパートナーとして開発を進めてまいりました。開発過程では、大手メーカー様のご協力をいただき、現場での具体的な課題に基づいてベータ版からのアップデートを進めて。その結果、外観検査機を更新することなく、汎用PC上で高速学習を実現し、目視負担を大幅に削減することが可能になりました。製造現場の生産性を向上させるだけでなく、蓄積されたデータを活用し、品質向上の新たな可能性を提供するツールとして、さらに進化を続けていき、世界中のウェブ製品メーカー様に提供してまいります。
株式会社アダコテックについて
「テクノロジーで生産現場をエンパワーメントする」をミッションに掲げ、外観検査AIを中心としたソリューションを提供する、テクノロジーオリエンテッドなスタートアップです。2012年の設立以来、製造現場の効率化や品質向上を目指し、先進的なAI技術の開発と実用化に取り組んでいます。特に、欠点画像分類AI「Shiwaketter」や外観検査AI作成ツール「AdaInspector Cloud」などのプロダクトを通じて、現場での生産性向上や負担軽減を実現しています。これからも、現場で役立つ革新的なテクノロジーを開発し、製造業の未来を支えていきます。
報道関係者向け資料
20250131_アダコテック_欠点画像分類AI「Shiwaketter」を正式リリース_プレスリリース
◆会社概要
社名:株式会社アダコテック
本社所在地:東京都千代田区神田神保町2-11-1
住友商事神保町ビル3F
代表取締役CEO:河邑亮太
事業内容: 外観検査AIサービス・ソフトウェアの開発・提供
設立: 2012年3月
HP:URL: https://adacotech.co.jp/
◆本件に関するお問合せ先
株式会社アダコテック 広報担当:高山
電話:03-4346-4171 Email:pr[at]adacotech.co.jp