アダコテック、川崎発の創業・新分野進出を目指す起業家ビジネスプランコンテスト 「かわさき起業家オーディション」で優秀賞を受賞
「HLAC(エイチラック)」特徴抽出法※1を用いた画像・動画解析によりモノづくりの検査・検品の自動化を促進する株式会社アダコテック(本社:東京都千代田区、代表取締役:河邑 亮太、以下、アダコテック)は、7月31日(金)に公益財団法人川崎市産業振興財団と川崎市が開催した起業家ビジネスコンテスト「かわさき起業家オーディション ビジネス・アイデアシーズ市場」の最終選考会で、優秀賞を受賞いたしましたのでお知らせいたします。
アダコテックは、産業技術総合研究所(産総研)が開発した「HLAC(エイチラック)」特徴抽出法用いた画像・動画解析技術を軸に、従来よりも効率的な異常検知を可能とするソフトウェアを提供しているテクノロジーカンパニーです。本技術は、少ないデータ量で高精度の解析ができるほか、異常として学習したものを検出するのではなく「正常を逸脱したものを検出する」モデルのため、前例のないようケースも含めてほぼ100%異常を検出することが可能です。また、常時並列演算を必要としないことから計算処理の負担が小さく、ノートパソコンのような汎用PCでもミリ秒オーダーの処理を実現・運用できるのも強みです。現時点では「動画」「静止画」「音」「センサデータ」の各インプットデータに合わせた4つの異常検知システムを用意しており、これらを用途や対象に合わせて適切に組み合わせて提供し、顧客の課題解決に取り組んでいます。これまでの実績としては、大手自動車部品メーカーをはじめとする製造業の実ラインに検査・検品の画像解析ソリューションを複数導入済であるほか、株式会社三井E&Sマシナリーと共同で実用化を行ったトンネルの劣化をレーダ探査を活用し非破壊検査を行う技術や、大規模商業施設や鉄道インフラ等への不正侵入の監視を自動化する動画解析ソフトウェアをセントラル警備保障株式会社に提供しており、各産業において技術の実用を進めています。
「かわさき起業家オーディション ビジネス・アイデアシーズ市場」は、公益財団法人川崎市産業振興財団と川崎市が開催する123回の歴史を持つ、創業または新分野進出を目指す起業家向けビジネスプランコンテストです。審査総数25件のうち、一次・二次審査を通過した4社が、7月31日(金)に開催された最終選考会に登壇いたしました。アダコテックは、モノづくりの現場における深刻な人材不足を解決するソリューションとして、「HLAC(エイチラック)」特徴抽出法を用いた画像・動画解析によりモノづくりの検査・検品の自動化に関するプレゼンテーションを行いました。本技術を用いたソリューションは、従来のAI・ディープラーニング を用いた検査・検品と比較し少量のデータで極めて精度の高い学習モデルを構築でき、また不良品データなどの異常データも必要なく正常データのみで異常検出が可能なモデル構築が可能です。また、計算過程や結果を明示することもでき、結論に至る判断がブラックボックス化してしまうということも避けられます。さらに、計算リソースの負荷が少ないため、一般的なPCのCPUを用いて計算処理を行うことが可能です。
アダコテックは、 「かわさき起業家オーディション」での受賞を励みに、モノづくりの現場への自社ソリューションの実装を一層促進することで、検品・検査の自動化に取り組むとともに、製造業界の進化と革新をサポートする事業の展開を目指します。
※1:HLAC特徴抽出法: 画像の解析や認識等に用いられる認識精度に優れた汎用かつ高速な特徴抽出法。検査対象の形状や大きさを計算する際、複雑な処理を行うDeep Learning技術とは対照的に、画素値(各画素の色の濃淡や明るさを表す値)を積和演算するのみで算出可能なので、市販PCで瞬時に計算できる。また、位置不変性(認識対象の位置が変わっていても同じものだと認識できること)及び、加法性(対象が2つある場合にそれぞれの特徴の和が全体の特徴となること)という特性から、画像のなかで同じものを表す領域の境界線を見つける必要がないことや(セグメンテーションフリー)、画像に複数の異常が発生した場合も個別に特徴を認識することができるといった、画像認識にとって好ましい性質を備えた特徴抽出法である。
■ かわさき起業家オーディション ビジネス・アイデアシーズ市場 について
開催日:2020年7月31日(金)
募集対象:創業または新分野進出を前提とするビジネスプラン
プレゼン企業数:4社
プレゼン形式:1社10分デモンストレーション
審査プロセス:1次書類審査、2次面接審査、最終選考会
評価ポイント: 新規性・優位性、将来性・社会性、市場性、販売計画、実現可能性、財務計画
WEBサイト:https://www.kawasaki-net.ne.jp/bizidea/
■ アダコテック評価のポイントについて(審査委員会講評/受賞のポイント)
サービス面では、産総研の特許を活用し、その特許に精通したチームであることに技術力の高さを感じ、また、少量の正常データのみで導入ができること、安価なパソコンで始められることは、導入を検討する企業にとって非常にメリットがある点が高評価を得られたポイント。また、ビジネス面においては、すでに自動車業界に導入実績を持ち、業界展開するとのことであったが、自動車業界にとどまらず、幅広い業界に展開できるビジネス拡張の可能性についても審査の中で良い評価であった。